■「輝いて生きる」を受講して
講師 (株)タニサケ 会長 松岡 浩 氏
9月13日 商工会議所にて
近々大型店舗が八代に進出してくることを受けて、経営者がどのよう
な心持ち商売に取り組んでいけばいいのかを模索するヒントにしてほし
いという目的で、今回のセミナーが開催された。
講師である松岡氏は岐阜県の生まれで、スーパーの経営などを経て、ゴキブリ
キャップで有名な潟^ニサケを設立した。
現在は、会長職に就きながら、タニサケ塾を開催し、全国の経営者たちに経営
の在り方を説いている。
松岡氏が信念を持って続けていることは、会社のトイレ掃除である。会長自ら
朝6時半に出社し、手袋もしないまま素手で便器をゴシゴシ磨いている。社員は
その後ろ姿を見て、何かを感じるのである。
トイレ掃除の目的は、単にトイレをきれいにするためではない。四つん這いに
なり床のタイルを磨くことで、視点は自然と低い位置に移り、今までは見えなか
ったものが見えてくるようになる。上から見下すのではなく、下から見上げるこ
とで、社員の気持ちや引いてはお客さんの思いも理解できるようになるという。
松岡氏が会社を経営していく上で心がけているのは、いかに社員が喜んでくれ
るかということである。実際に社内で行われている制度としては、 @提案箱を
設置し、提案した社員には一律300円を支給する。 Aありがとうカードを記
入させ、書いた本人と書かれた相手に対して100円ずつ支給するなどである。
提案箱には、工場内での改善提案が社員から寄せられ、効率アップにつながる提
案については即採用し、実作業に活かすというものだ。自分の提案が採用された
社員にとっては、大きな自信につながる。そして、仕事の中での工夫や改善につ
いて、更に熱心に考えるようになる。それが会社の売り上げアップにつながって
いく。社員が現状維持でいいと思っているようではダメで、常に少しずつ向上し
ていかなくては、会社も良くならない。社員からの意見や提案を素直に受け入
れ、即実行に移すという経営者の姿勢が会社を良くしていくのだろう。1回のあ
りがとうカードで、会社としては200円の出費になるが、そうすることで、社
内の雰囲気が良くなればそれでいいと松岡氏は言う。
商売をやっていく際、謙虚さというものが一番大事だ。全てに感謝すること。
自己中心的ではなく、いかに他者中心になれるかが重要となる。傲慢で自己中心
的な人の周りには、誰も集まってこない。自分が欲しいと思うもの(欲望)を、
どれだけ他者に分け与えることができるか。経営者も、そういう点を求められ
る。どうしたら相手が喜ぶのかを感じ取り、行動に移すことが大切である。どう
したらお客さんが喜んでくれるのかを第一に考えることこそ、サービスの基本と
なる。
感じる心=感化力を身に付け人格の向上を目指すことで、最大のサービス
をお客様に提供できるように、私たちも努力していく必要がある。
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